iOSの規約変更でFlash CS5のPackager for iPhoneがOKに! 雑感

今朝、Flash開発者にとって突然の重大ニュースがやってきました。

iOS 4.1 (iPhoneのOS)で悪名高い規約が改善
→ Flash CS5 で作った iPhone アプリも OK になる
→放置されてた Flash 製アプリが続々と Apple の審査を通りだす
→アドビ、Packager for iPhone の開発復帰を発表

つまり、4月上旬にiPhone OSの規約変更で座礁したFlashでのiPhoneアプリ開発は半年ぶりに復活することになったのです。4月上旬の経緯については独学ASさんの記事を参考ください。

これをうけて日経新聞(電子版)では米Adobeの株価が上昇していると報じられています。ただ、私が思うに経緯の時刻から見て昨日の新製品(FMS4)発表によるところのほうが大きいんじゃないかと思います。

さて、本題のFlash開発者はiPhoneアプリにさっそく参入できるのかについて、私の雑感を。

さっそくFlash CS5で開発をスタートしてよいか?

現在のFlash CS5に搭載されているiPhone OS用の[新規ドキュメント]で開発することが可能です。規約がだめだったとはいえ、審査は通らないものの自分のiPhoneであればFlash製iPhoneアプリを動かすことができました。ちなみに半年前にFlash CS5の機能を使って作られたiPhoneアプリの申請が今になって進展があったとMACお宝鑑定団blogで紹介しています。

ここからは個人的な意見です。規約変更は喜ばしい出来事ではありますが、実務でPackager for iPhoneを導入するかどうかは少し様子を見たほうが良さそうです。少なくとも前回の規約変更でAppleは強硬手段を突然とるようなやり方をすることがわかったので、継続性を重要視するようなiPhoneアプリは慎重に検討したほうがよいでしょう。特に今後の年次でアップデートしているOSの登場時などには規約変更の注意が必要だと思います。

iPadやiPhone4の技術という観点からも、fladdictさんのブログでも鋭く指摘されています。

数ヵ月後の希望的観測

ですが、Flash製iPhoneアプリが軌道に乗れば、これまで以上にFlash市場が活気づくことが期待できます。Publickeyさんの記事で言及されていますが、ソーシャルアプリ開発で開発者が不足していることからシリコンバレーではFlash開発者の年収は上がっています(3年で2〜3倍上昇で約年収1300万円)。これにiPhoneアプリの開発が加われれば、ますますFlashの需要が高まることは間違いなさそうです。

Flash製iPhoneはパフォーマンスの観点からシンプルなアプリが向いています。主に、無料もしくは低価格帯のアプリが主なターゲットになると思うのですが、今まで開発言語の敷居から参入できなかった制作会社や個人がどんどん挑戦しやすくなっていくことでしょう。(無料・低価格帯においては、従来のiPhoneアプリ開発者はObjective-Cならではのパフォーマンスやクオリティーをアドバンテージにしないと、コスト・スケジュール的にFlash陣との厳しい戦いになるのでは!?)

Flashを覚えておけば、将来的に安心!?

少し話題が飛躍しますが、スマートフォンのAndroidも需要が伸び急成長しています。将来的にはAIR for Androidで、Android用のアプリを開発することができるようになります。またAndroid 2.2のブラウザでは、Flash Player 10.1をプラグインとして利用できるので通常のPCと同様にFlashサイトを見ることもできます。

Flashを学んでいる方は、WebもPCのアプリも、スマートフォン向けのウェブサイトもAndroidアプリも、そしてiPhoneも・・・。一つのスキルを修得するだけでどの環境にも対応できる、そんな素晴らしい時代がやってくることでしょう。ありがたい限りです。

投稿者 : 池田 泰延

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