- 2011年09月12日 (月)
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バズワードに流されてませんか? 今チェックしておきたい、現場の開発者から見たHTML5の実際のところ
HTML5という技術が注目を集めていますが、実際の現場ではどういう認識で使われているのか参考になる記事をまとめました。これからHTML5を採用しよう、勉強しようという方に役立つようにピックアップしています。
※なお、本記事でのHTML5はCSS3とJavascriptも含めた技術全体の事として扱っています。マークアップやスマートフォン向けのHTML5というよりは、インタラクティブコンテンツ/WebアプリとしてのHTML5についてのお話です。
まずは実際どのくらいHTML5でサイトが作られているのかチェックしておきましょう。こちらは国内企業サイトでHTML5が採用された実例をまとめた記事です。お客様への提案時には実例を見せるのがわかりやすいのでこういう記事は助かりますよね。
※ちなみに私がHTML5のオーサリングエンジニアとして関わったサイトも載っています。ありがたや。
タイトルは過激ですが、「HTML5とFlashの対立構造」についての疑問を中立な立場から指摘した記事です。両技術を取り巻く背景を的確に説明しているので、正しい理解を得るためには必読の記事だと思います。
Flash開発者サイドからの意見。多くのFlasherは「もうFlashはいらない?」という内容の記事には常々疑問を感じていると思うのですが、そういった違和感がまとめられています。
「FlashとHTML5は基本的に競合する技術」という見解で、HTML5とFlashの位置づけに対して意見されています。「何でそんなにFlashを無くしたいの?」という考察も一読の価値ありです。
「Chrome+HTML5 Conference」に参加したcoppieeeさんの報告ツイートをまとめたトゥギャッター記事。「HTML5の実際のところ」、「開発者の生の声」 というあまり聞けない有用な情報が集まっていると思います。
Flashのエバンジェリストとして有名なLee Brimelow氏とプロダクトマネージャーのMike Chambers氏へのインタビュー記事。HTML5のオーサリングソフトEdge(プレビュー版)をリリースしたAdobeの最新(2011年9月)のスタンスがわかやりやすくまとまっています。今後のツールがどうなっていくのかも気になるところですよね。
Adobe太田さんのツイートをまとめたトゥギャッター記事です。商業プロジェクトに携わっているラファエル氏の例を挙げて、HTML5を実装するにはFlashが利用されるということが紹介されています。太田さんの「まっとうなHTML5ブランドサイト作ろうとすると実はFlash避けられないし、無理矢理避けるとしてもすげー工数がかかるのに大した効果がない。」と意見はもっともだと思います。
補足までに説明しておくと、もっともブラウザシェアの多いIE6〜8はHTML5をサポートしていないため利用するときには代替手段を考えなくてはなりません。その代替機能となりうるのが99%の普及率を持つFlash Playerなどのプラグインです(SilverlightやJava Appletという方法もありますがw)
まとめ
こちらの記事の『「時代はHTML5」と言っているのは主に営業さんで、クリエータは別にそんな感じではないらしい。(むしろHTML5をdisってたw)』という発言の通り、「HTML5」がバズワードとして流行っていて、実際の所を理解している人が思った以上に少ないことに私は危険性を感じています。
Webの技術は今まで「XHTML」なり「Ajax」なりトレンドがでて新しい技術が市場に投入されてきました。それによって、エンドユーザーの体験が向上したり、商業ベースで需要が発生してきたことは重要なことだと思っています。「HTML5」はそのようなトレンドの一種だと思っていますが、本質を見極めずにワードだけ使って提案されていることが多く不安を感じざるを得ません(HTML5は十分に成熟していない/そもそも勧告にすら至っていない)。
Webの体験をよりよくするためにベストな選択がなんなのか、サイトの目的をクリアする最善の方法は何なのか、「HTML5」という選択肢が増えた今、技術のメリット・デメリットをあらためて吟味して扱っていきたいですね。
2011年09月13日(火) 01:09
flashがなくなってくれないと勉強する範囲が広がってしまい大変なのでは無いでしょうか。できればHTML5に統合されると皆、楽が出来て幸せです。
2011年09月13日(火) 12:10
Flashの存続についての議論は別として、Web表現技術の選択肢が狭まることの危険性は次のようにワードを置き換えると分かりやすいと思います。
「モダンブラウザがなくなってくれないと勉強する範囲が広がってしまい大変なのでは無いでしょうか。できればIEに統合されると皆、楽が出来て幸せです。」
冗談はさておき、HTML5はブラウザ毎のサポート状況に違いが大きすぎるため、ブラウザ毎に挙動を調整するのが大変です。表現を実現するためにFlashだと一つの手法でクロスブラウザ対応が解決したものも、HTML5だとブラウザ互換を実現するために数種類の実装を施す場合があります。どちらが勉強のコストが低いかは、実際に作ってみるとわかるでしょう。