Flash Builder 4のFlasherに役立つ10個の魅力的な新機能

ついに登場しましたAdobe Flash Builder 4。Flash Builder 4はFlashを作ることのできるAdobe謹製の統合開発環境で、Flash CS3/CS4製品よりもコードを中心に開発される方に向いたソフトです。

Flash Builder 4はFlex Builder 3の後継バージョンで、今回のアップデートでFlex BuilderからFlash Builderへと名前が変更されました。かなりの機能が盛り込まれたのですが、そんなFlash Builder 4の魅力をFlasher視点としてあまなく紹介してみたいと思います。

1.Flash Professionalとの連携

公式にFlash Professional (CS4/CS5)との連携できるようになりました。具体的にはFlash ProfessionalのコードエディターとしてFlash Builder 4を利用できるというものです。Flash Builder 4にはFlash Professionalで同じみのショートカット「Ctrl + Enter」がパブリッシュ用に割り当てられています。

2.コード補完

Flash Builder 4で強化されたのがコード補完。コンテンツアシストでは、以前からの前方一致補完のみだけではなく、より短いスペルで補完したいクラスを選択できるようになります。例えば、MCと入力すればMovieClipクラスが補完されます(TFだとTextField、MEだとMouseEvent)。またMXMLのみですが、イベントハンドラーの自動生成機能が搭載されています。

3.パッケージや変数名変更が楽になるリファクタリング

個人的にはイチオシの機能。Flex Builder 3から強化された機能ですが、変数名やパッケージ名をリネームすると、参照している箇所を自動的に変更されます。一般的なコードエディターでは「文字の検索・置換」をすることでリネームを行いますが、「参照」 でリネームされるため、正確かつ確実にリネームされます。

図1:プロパティーの変更

パッケージエクスプローラー上でクラスやパッケージをドラッグ&ドロップするだけでも、参照のimport文まで変更してくれます。

図2:パッケージの変更

4.ASDocツールチップの表示

ヘルプを開かずとも、クラス名や変数名にフォーカスがあたっているだけでASDocツールチップが表示されるようになりました。ヘルプを開かずとも 素早くメソッドの詳細をチェックすることができます。

5.メモリやCPU使用率を詳細にチェックできるプロファイラ

SWFProfilerやStatsといったメモリ管理のためのAS3ライブラリが存在しますが、Flash Builder 4のプロファイラはもっと詳細にメモリ使用率をチェックすることができます。インスタンス毎にどれだけのメモリを使用したかをリスト表示でき、メモリリー クしているインスタンスが存在しないかをチェックすることができます。
※この機能はPREMIUM版のみです。

Flash CS4でパブリッシュしたSWFに対しても、プロファイリングすることが可能です。

6.setter/getterの自動生成

オブジェクト指向を意識してコードを記述すると、カプセル化としてsetter/getterメソッドを用意することが多いかと思います。変数を選択してsetter/getterの自動生成を選択すると、自動的にそれに応じたメソッドを用意してくれます。

7.Flash Professinalで作成したSWCコンポーネントを利用しやすくなる

Flash Professinalで作成したコンポーネントを利用しやすくなるような機能が用意されています。(後日追記予定)

8.PHPやXMLを読み込むためのプログラムを自動生成

サーバーサイドと連携するコードを自動生成することができます。AS3側だけではなくPHPの場合だとPHPのサーバーサイド側のプログラムも自動生成されます。ちなみに次の記事を参考にしてみたところ、5分でTwitterビューアー(XMLを読み込み、表に表示するアプリ)を開発できました。

9.チャートコンポーネントがStandard版でも搭載

個人的に嬉しいのが、Flex Builder 2やFlex Builder 3の頃から高価な上位版でのみしかついていなかったチャート系コンポーネントがStandard版でも同封されたことです。以前のバージョンよりもStandard版はお買い得感がでたのではないでしょうか。MXMLでの場合のみですが、サクっとグラフを用意したいときとかに便利ですね。

10.コンパイラーが高速化されたFlex SDK 4

Flex SDKはFlash Builder 4のコンパイラやMXMLのフレームワークを含むオープンソースの開発キットです。Flash Professinalの利用ではなくFlex SDKをベースにコンパイルする場合のみですが、コンパイラが高速されたためにswfの生成にかかる時間が短くなります。これは近々どのくらい高速化され たのか検証してみたいと思います。

まとめ

全体的に機能が盛りだくさんになり、かなり満足なアップグレードになったように思っています。なが〜いpublic beta期間もありましたし、今のところ不具合もほとんどなく完成度の高い製品になった印象があります。以下に、参考になるリンクをまとめましたのでよければご覧くださいませ。

学生さんや失業者だと無料でFlash Builder 4を手に入れることができます。

Adobe Developer Centerにまとめ記事が大量に投下されました。

いち早くレビュー

AdobeのFlash Builder 4発表の記者会見の動画

ちなみにFlash Professionalのエディターで考えられている方は、コード補完がどのくらい便利かが気になるところだと思います。Flash Builder 4は総合的な機能では他のソフトウェアを圧倒していますが、もしかしたら既にFlashDevelopを使われている方には、コード支援に関しては少し物足りなさを感じる方もいらっしゃるかも知れません。ということで、次回はFlash Builder 4でも爆速コーディングが可能になるプラグインを紹介します。

※ちなみに私はFlashDevelopもFlash Builder 4もどちらも優れているので両方併用して利用しています。(プロトタイピング的なものやプロジェクト開始時はFlashDevelop、プロジェクト後半のチューニング段階からはFlex Builder 3(Flash Builder 4)といった使い分けをしています)

投稿者 : 池田 泰延

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Comment/Trackback 2件

  • links for 2010-03-24 « 個人的な雑記 より:

    […] Flash Builder 4のFlasherに役立つ10個の魅力的な新機能 | ClockMaker Blog (tags: as3) […]

  • taikiekn より:

    ブログやwonderflを参考にさせていただいています。

    1.Flash Professionalとの連携の件です
    Flash Builder 4 体験版でFlash Projectを作成しようとすると「Flash CS5以上がインストールされてないといけない」とでてProject作成ができないようなのですが・・・